Tern Verge Duo(ターン ヴァージュ デュオ)コースターブレーキ搭載の折り畳み自転車をレポートします

過去にライナス(アメリカの自転車メーカー)のロードスタークラシックというシングルスピードのコースターブレーキ搭載車に試乗したことがあります。その時、はじめてコースターブレーキを使ってみて、足でペダルを逆に踏み込めるため、ブレーキが良く効くという印象でした。

日本ではマイナーなブレーキですね。

オランダだとコースターブレーキの自転車が多いらしいです。

自転車にやさしいオランダのまちづくり ゴッホの“原点”を巡るサイクリングも

いつかコースターブレーキ搭載の自転車を買おうと思っていました。

しかし、購入最有力候補だったライナス ロードスタークラシック(2021年1月現在)は、どこも在庫切れで新車で買うことができません・・・

そこで、ヤフオクで「コースターブレーキ 自転車」で検索して、たまたま見つけたTern Verge Duo(ターン ヴァージュ デュオ)を競り落とします。現在はラインナップから外れてしまったので、中古で買うしかない代物です。恐らく、前輪がキャリパーブレーキのため初期型の2012年モデルだと思われます。なかなか個性的な仕様の自転車です。

▼2012年

tern Verge Duo もあります!!

2013年、2014年、2015年モデルは、後輪がVブレーキ仕様です↓(作られた時期により細かい仕様が異なります。)

▼2013年

2013 tern 2速オートマチック Verge Duo が入荷です 【橋輪Blog】

▼2014年

tern Verge Duo お買い得品[クリアランスセール開催中]

▼2015年

2015 tern オートマチックハブ搭載のVerge Duo 入荷!【橋輪Blog】

ホーイール・タイヤ

ホイールには、ETRTO 406×15c、Section Width 23mm~32mmと表記されています。最大タイヤ幅32mmまで許容のようです。タイヤはシュワルベ  SUPREMEが装着されていました。タイヤ幅を測ってみると・・・約36mmあります。

これ大丈夫なのかネットで調べてみたところ、どうやら、JIS(D 9421)では適正なタイヤ幅は リム内幅x1.4 ~ 2.4が望ましいとされているらしいので、15C(リム内幅 15㎜)だと 15×2.4=36㎜のため、ギリギリ大丈夫?のようです。しかし、心配であればホイールに規定されている最大タイヤ幅32mmまでのタイヤに交換をした方がいいかもしれません。

折り畳み方

これです↓(ターンの日本オフィシャルブログです。)

今までになかった画期的な折りたたみ技術 N-Fold Technology

折り畳んだ時に自立して、前後輪を磁石で固定して、ハンドルポストもゴム状のストラップでフレームと固定できます。

ゴム状のストラップ(最初、何のために使うのかわかりませんでした。)
ゴム状のストラップでフレーム本体とハンドルポストが固定できます。

前輪ブレーキ・レバー・グリップ

まさかの2フィンガーレバー? そして、あまり効きません。指でブレーキレバーが引ける油圧ディスクブレーキの自転車とは、雲泥の差です。

ロードバイクのシングルスピード+ディスクブレーキ+フラットバー化の魅力

そこで、多少ブレーキの効きが良くなるかもしれないので、カートリッジ(交換しなくてもアジャスターで調整すれば効くようになるかもしれないですが・・・)ごとシマノ105のブレーキシューに交換することにします。(TIAGRA、SORAはカートリッジ式ではないので、候補から外れて、ULTEGRAのブレーキシューは、105と比較してブレーキ性能変わらないとレビューを見たので、105を選びました。)

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実際に付けて走ってみると、劇的に変化した訳ではありませんが、ブレーキを握りこんだ時の制動力は上がったと実感できました。

エルゴノミックデザイン?のグリップで握りやすいです。

右側には応急処置用?の六角レンチ(4/5/6mm)が内蔵されています。これでサドル、ブレーキの六角ボトルの締め付けが可能です。

後輪ブレーキ

Sram Automatix 2-speed Hub(現在、販売していないようです。)が付いています。手持ちのGPSサイクルコンピューターで時速15.6km/h位になると自動的(機械式遠心クラッチ?)に2段目に変速してペダルが重くなります。ペダルの回転数を落として、15.6km/h以下になっても、2段目のペダルは重いままです。ペダルを少し逆回転させると1段目に戻ります。しかし、マニュアルらしきものを見つけたのですが、これには日本語で「一定の速度を下回るとハブは自動的に1速のギアにシフトして戻ります」と書いてあります。ん?

95-3315-001-000_rev_a_sram_automatix_web.pdf

コースターブレーキは、足で踏み込めるため、制動力は高いです。お尻を浮かせながら、踏み込むとさらに力がかけやすいのですが、強くかけすぎるとタイヤがロックしてしまうため加減が必要です。

チェーン・クランク・泥除け・折り畳み式のペダル

フロント歯数46T、リア歯数 18Tでした。ギア比は2.55、タイヤ外周を計測したところ、約475mmでした。

下記サイトで上記の数値を入力して、ペダル1回転で走る距離を計測したところ3.8mでした。

ペダル1回転で走る距離の計測

1速は軽すぎもなく、重すぎるわけでもないので、ちょうどいいギア比だと感じます。1速2速のギア比は、1.00と1.36(64/47)らしいので、2速目は3.8m×1.36倍でペダル1回転で走る距離は約5.1m位です。

The SRAM Automatix Two-Speed Autoshifting Hub

クランクはチェーンガード、着脱可能なチェーンプロテクターが付いてます。確かに、ズボンが油で汚れずらそうですが、チェーンプロテクターとチェーンが干渉しているのか音鳴りがします。(チェーンプロテクターを外すと音鳴り消えます。)

泥除けは樹脂製です。雨の日、水たまりを走らないのであれば、軽量化のために取り外してもいいかもしれません。

折り畳み式のペダルは、折り畳み時にサイズが小さくなって良いのですが、畳んだり、戻したりするのがやりずらいと感じました。

重量

約12.17kgでした。(以下のベル、GPSサイコン、テールライトを含みます。)もし電車で輪行する時に担ぐと結構重いと思います。

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サドル

座面は幅広ですが、クッション性は高くなく、1時間走ってお尻は痛くなりました。自分とは相性が良くないようです、サドルは、自分のお尻に合って痛くならない以下に交換しました。

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ハンドルポスト・シートポスト

ハンドルポストは、ワンピースのため長さが調整できません。残念です。

シートポストは33.9mmと太いのです。内部には空気入れが内蔵されています。

これは、いざという時に助かるかもしれませんが、使う日が来る時はくるのでしょうか・・・

走った感想など・・・

街中を走って感じたコーストブレーキ車のデメリットは、自転車が停止した時にペダルを逆回転させて好きな位置にペダルを戻せないことです。そのため、ペダルの位置によっては、左足で踏み込んだり、立ち上がって踏み込んだりするとスタートしやすい時があります。

時速20km/h以下で走るのに適した自転車だと感じました。やはり街乗り向けです。ゆっくり走ると楽しい自転車です。それ以上出すと・・・ペダルの回転数を上げる必要があるため自分には疲れます。慣れてきたら足だけで加速、ブレーキ、変速(シフトアップは自動、シフトダウンはペダルを少し逆回転させる)できるので、ブレーキレバー握ったり、シフターをカチャカチャ変えたりしなくて済むため、街中を走る分には、楽かもしれません。そして、変速機、リアのワイヤーがないので、見た目がスッキリして邪魔になりません。

SRAM Automatixは、以下のマニュアルを見ても、定期的な整備の記述がなく、「内蔵ギアハブが過度に加熱すると潤滑油が滅失・・・・特別なグリスを適用して潤滑させる必要があります。」と書いてある以外は、ほぼメンテンナンスフリーのようです。手間が掛からない点もGoodポイントです。

95-3315-001-000_rev_a_sram_automatix_web.pdf

翌日、サドル、前輪ブレーキシューを交換した後の姿です。

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